ふぇあんぶぇ~ Fernweh

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サントラが最高すぎるララランドの感想を書く【スーパーネタバレタイム】

シンゴジラの良さを熱弁していた磯野貴理は、観る前に「ゴジラ~?怪獣映画でしょ~?」とぼやいた。

それと同様に、私もこの映画に対して

「ミュージカル~?空気読まずに歌って踊るやつでしょ?」

という思いを持っていた。

しかし、

セッション コレクターズ・エディション [Blu-ray]

 の監督がつくった作品なので、観ないわけにはいかなかった。

 

冒頭から、渋滞している道路でみんなが揃って踊りだす。はいはい、フラッシュモブ風ミュージカル始まりましたね。

冒頭で白けた私は、後悔する。ストーリーがめちゃめちゃ良かった。

女優になりたいエマと、ジャズバーの店を持ちたいライアン。

もう若者という歳でもないのに、夢追い人のふたりはフリーター同然の生活をしながら夢を追い続ける。ふたりで居るときはロマンチックな夢の世界に浸るが、夢が叶わないフリーターの生活がリアルにのしかかる。

エマが故郷の母親と電話するシーンがみじめで、とても良い。

「うん、うん・・・彼は素敵な人で、ジャズバーをひらく予定なの。えっと、まだ何も決まっていなくて、準備中よ・・・。お金は・・・たぶん貯金があるんだと思う。」

「実は私もね、オーディションを受けるだけじゃなくて、自分で劇の公演をしようと思ってるの!脚本もすべて自分。え、お給料?いや、自費でやるから出ないよ・・・」

この映画はだいぶ二人の不遇時代が長く、夢追い人のリアルを見ているようでとても心に刺さるものがある。オーディションの箸にも棒にもかからずに落ち続けるエマ、業者に騙されて店を開けなかった無職同然のライアン、と、痛々しい描写がつづく。

しかし、エマは偶然見出してくれたプロデューサーに認められ、ライアンは自分の趣味とは異なり「ダサい」と思っている大衆向け音楽に身を投じることで、だんだんと各々の仕事で食べていけるようになる。エマは映画の撮影、ライアンはツアーで、超遠距離&いつ会えるかの見通しが無くなった二人は、別れを決意する。

 

で、今やトップ女優になったエマと、超人気バンドのメンバーになったライアンはどうしたか。

・・・エマは、超どうでも良さそうで波長の合っていなさそうな男と結婚し、子供もできていた。ライアンは、かねてからの夢であったジャズバーを開き、成功を収めていた。

ある晩、エマは旦那と偶然ライアンのオープンしたジャズバーに足を踏み入れる。

ライアンが目の前で、以前のようにジャズピアノを奏でている。互いに、存在に気付く。

ライアンのピアノに合わせて、楽しげなミュージカルパートがはじまる。しかし、楽しげなのにも関わらず、ここは一番の大号泣どころだ。

エマとライアンが結ばれる未来。子供もできた未来。仕事も好調。たまに、夫婦みずいらずのデート。ふたりは周りを巻き込んで楽しげに踊る。ハッピーな音楽が流れる。理想郷に入った二人は、キスをする。

 

しかし、これらはすべて夢。現実にはもう起こり得ないのだ。

エマは超どうでもよくて波長の合わなそうな男と結婚してしまった。

ライアンは恐らく孤独である。

 

だが、二人は、逃避行なんてしない。

「もういこっか」「うん」

エマと旦那はさも興味なさげに、音楽もそこそこにバーを出る。エマは後ろ髪をひかれる思い。

エマが、振り返る。ライアンが、ステージの上からエマを見つめる。互いに、うなずく。これで二人の関係は終わりだ。

 

これで二人が結ばれていたら、私はこの映画を好きになることは無かっただろう。

互いが好きなのに実らない恋ほど、後味が悪くてロマンチックなものは無い。

君の名は。も、この映画を見習ってほしいものである。

君の名は。ラストで互いが誰か分からずにすれ違う場面で、声をかけず、すれ違ったまま結ばれずに終わるほうが良かった。

あと、エマも、せっかく自作の脚本で評価されたシーンがあったのだから、女優ではなく脚本家として成功して、エマもライアンも自分の一番なりたかったものは諦めた形の未来のほうが良かったと個人的に思った。

 

で、この映画を観て

Take On Me (2015 Remastered)

 が無性にやりたくなってしまった。次のライブでは絶対にこれを演奏する!・・・したいなぁ

 

「だらだら黒パグ」 https://line.me/S/sticker/1392374